全棟最高等級の罠
よくある住宅会社の例として、「全棟最高等級」をホームページやSNSで謳っていることがあります。
確かに言葉としての響きは良いですが、それに惑わされることなく何をもってして“最高等級”なのかを見極めておく必要があります。
本サイトで最も重要であるとお伝えしてきた断熱性能等級でいうと、ひと昔前までの最高等級は4でした。しかし今では等級7が最高等級となり、かつての等級4はもはや最低基準となっています(「住宅性能に関しての基準は?」で詳しく説明しています)。
この点だけでも、何をもってして最高等級としているのかを具体的に確認するのは必須であるといえます。
当サイトでは「夏涼しく、冬暖かく、コスパが良い」というテーマのもと住宅性能の重要性を色んな観点から取り上げています。
まず何よりも大事なのは、客観的な数値としての比較です。判断するための指標はUA値とC値です。UA値は、東京エリアなどの6地域であれば0.46(断熱性能等級6)を切る水準が望ましいとされています(他地域でも断熱性能等級6以上を推奨)。そしてC値は必ず全棟測定し、その上で0.6を切るレベルは必須です。
その他にも換気や耐震等級、太陽光パネルについてなど、本当に良い家とは何かということを多岐にわたってご紹介しています。
当サイトでご紹介している観点の他にも、細かく見ていくと家づくりにはいろいろなポイントがあります。ただ、それらは当サイトで強くお伝えしている「夏涼しく、冬暖かく、コストパフォーマンスが良い」という部分を実現したうえでの話だと思っています。
断熱・気密性能のように、重要かつ住宅会社によって差が出やすい分野を避け、どの会社でもほぼ達成している部分だけを取り上げて“最高等級”を謳っている会社には気を付けなければなりません。
本当に良い家や暮らしとは何なのか?当サイトで勉強していただき、皆さん自身で判断基準を持ったうえで納得できる家づくりを進めていただきたいと思っています。何も知らないまま、訪れた会社の言うがままに家づくりを進めると、後悔する結果になるということも残念ながらよくあるからです。
訪れた会社の営業担当者に積極的に質問をしてみるのもいいかもしれません。
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