工務店を選ぶにあたり、高断熱、省エネという言葉をウェブサイトに書いていない工務店を探すことが難しい時代となりました。しかしながら、実際どの程度高断熱なのか?または省エネなのかは会社によって大きく異なります。
せっかく勉強を重ねて工務店に「高断熱でお願いします」と依頼したにも関わらず、寒くてたまらない家になってしまって相談の連絡をくださった方もたくさんおられます。そんな不幸を避けるためにはUA値、C値の確認は必要です。
特に国の基準には入っていないC値に関しては、計測すらしていない工務店がほとんどです。C値が良くなければ、いくら断熱をがんばったところでその効果の半分も享受することができません。
今回、住宅性能コミット宣言している会社は少なくともUA値とC値に関しては一定の性能を約束(コミット)してくれる工務店さんです。
それだけではまだ完全ではありませんが、それでもこれを担保していないということは「暖かく、涼しく、安く」のほぼすべてを満たすことができません。そういう意味では私が考える最低限はクリアしているということの証明にはなります。将来的には、このコミット内容はより詳細なものになっていく可能性を秘めています。「ここから選びさえすれば間違いない。」そんな仕組みになれば良いと考えています。
松尾 和也
(株)松尾設計室 代表取締役 / 一級建築士
[経歴]
1975年 兵庫県出身
1998年 九州大学工学部建築学科卒業
2005年 「サスティナブル住宅賞」受賞
「健康的で快適な省エネ建築を経済的に実現する」ことをモットーにしている。
設計活動の他、住宅専門誌への連載や「断熱」「省エネ」に関する講演も行っており、受講した設計事務所、工務店等は延べ 6,000社を超える。2020年からはYouTubeにも取り組み、チャンネル登録数は7万人を超えている。
著書として「ホントは安いエコハウス」「新しい家づくりの教科書」「これからのリノベーション」「健康・快適なZEHのつくり方:工務店と設計者の新常識」「5人の先生が教える一生幸せなエコハウスのつくりかた」「住まいの耐久性大百科事典I」「エコハウス超入門」「建築知識ビルダーズNO48 松尾式住宅設計術」「健康とお金で失敗しない間取りと住まい方の科学」がある。