家づくりの基礎

本当の価格について

家は「人生で一番高い買い物」とよく言います。

確かに、数千万円単位で決断を下す機会は一般的にあまりないですよね。

それだけのモノを買うからこそ、後悔は絶対にしたくないものですが、一体何にお金がかかるのかも知っておきたい大事なポイントです。

多くの方が、最初にかかる費用や組んだローンの総額に目がいくのですが、家を買うということは買う瞬間だけのことではありません。

30年間や40年間ほど住み続ける間に発生する費用を考えないといけませんし、今は考えづらいですがいつか手放す(=売却する)時が来るかもしれません。

住み続けている間の費用としては、大きく修繕費と光熱費があります。

日々その家で暮らすにあたってどちらも避けては通れないものですが、家の品質によって住んでいくうちに大きな差が出る部分です。

修繕費で言えば、品質があまり良くない家は色んな部分の劣化が早く、数年単位でお金をかけて修繕をしなければなりません。

品質が良い家だと10年・15年などの定期点検をきちんと受けることで、費用を最低限に抑えることができます。

光熱費については、例えば品質が良くなくて家で月々4万円の光熱費がかかる家と、品質が良くて月々の光熱費が2万円で済む家を比較するとします。

1か月単位だと2万円の差ですが、これが1年になると24万円、10年だと240万円、30年だと720万円もの差になるのです。

これだと例えば最初に100万円を性能向上の費用に充てて、月々の光熱費を抑えつつ快適に暮らす方が実はかなりコストパフォーマンスが高いということになります。

もっと身近な例で言うと、車を選ぶ際に燃費が良い車を選ぶようなものです。

いつか何かの事情があり手放す時にも、もちろん高く売れる方が良いですよね。

「日本の住宅について」の項でも記載している通り、今では日本でも高品質の家が資産化されるように制度が整ってきています。

そういった制度の中で一定の基準をクリアし、高性能だと評価される家かどうかによって、将来売却するとなった時の価格は大きな差になります。

これらの観点からも最初の価格だけで判断するのではなく、修繕費や光熱費、長期的な資産価値などをトータルで考えることをおススメします。

このように制度が整ってきているのは確かですが、未だに「坪〇万円」という坪単価やイニシャルコストだけを前面に出し、品質などについてしっかりと数字で説明をしない建築会社も多々あります。

皆様には、長い目で見て損をしないような家づくりをしてもらいたいと思います。


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