用語集

ではじまる用語

C値(相当すき間面積)

住宅の気密性能を示す指標の一つで、建物の隙間面積を延べ床面積で割った値です。具体的には、1平方メートルあたりの隙間の合計面積(cm²/m²)を指します。C値が低いほど、建物の気密性が高いことを示します。

G1

日本の住宅性能表示制度における耐震等級の一つです。G1等級は、建物が中規模の地震(震度5強程度)に対して倒壊・崩壊しない耐震性能を持つことを示します。

G2

日本の住宅性能表示制度における耐震等級の一つで、建物が中規模から大規模の地震(震度6強から7程度)に対しても倒壊・崩壊しない耐震性能を持つことを示します。G2等級は、建築基準法の最低基準(G1等級)を上回る耐震性能を提供し、より高い安全性を求める住宅に適用されます。

G3

日本の住宅性能表示制度における最高等級の耐震等級を指します。具体的には、G3等級は非常に大きな地震(震度7以上)に対しても建物が倒壊・崩壊しない耐震性能を持つことを示しています。G3等級は、耐震性能において最も厳しい基準を満たすもので、特に地震に対する安全性が最優先される建物に適用されます。この等級は、一般的な住宅よりもさらに高いレベルの耐震性を求める場合に使用されます。

シーリングファン

天井に取り付けられた回転式のファンのことで、室内の空気を循環させるための装置です。シーリングファンは、夏は扇風機のように風を起こして涼しさを提供し、冬は暖房で温められた空気を均等に循環させることで、エネルギー効率を高めます。また、エアコンと併用することで冷暖房の効率を向上させ、省エネ効果が期待できます。

シーリングライト

天井に直接取り付けるタイプの照明器具のことです。リビングルーム、寝室、キッチンなど、さまざまな部屋で使用され、部屋全体を均一に明るく照らします。シーリングライトは、取り付けが簡単で、省スペースであるため、特に天井の高さが低い部屋に適しています。

シーリング材

建物の隙間や接合部を埋めて防水や気密を確保するために使用される材料です。主に外壁や窓、扉の周囲、屋根などの隙間に充填され、雨水や風、埃の侵入を防ぎます。シーリング材には、シリコン系、ウレタン系、アクリル系など様々な種類があり、それぞれの用途や場所に応じて選ばれます。柔軟性があり、温度変化や建物の動きに追随できる特性を持つため、ひび割れを防ぎ、建物の耐久性を向上させます。

システムキッチン

調理台、シンク、コンロ、収納などが一体化したキッチンユニットのことです。各パーツが組み合わせ可能で、スペースや使い勝手に応じてカスタマイズできます。システムキッチンは、効率的な作業動線を考慮して設計されており、調理や片付けがスムーズに行えるのが特徴です。

シックハウス症候群

住宅内の空気汚染が原因で引き起こされる健康障害の総称です。主な原因は、建材や家具から放出されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)です。対策としては、低VOCの建材や家具の使用、適切な換気、空気清浄機の利用などが有効です。

シューズクローク換気システム

靴の臭いを軽減するために特化した換気システムのこと。シューズクロークの湿気や臭い対策として有効な手段は、小窓あるいは24時間換気のどちらかといわれています。

ショートサーキット

ショートサーキットとは、気密性が低い住宅で換気がうまく機能しない現象です。気密性が高ければ計画通りに換気が行われますが、隙間から空気が漏れると換気が乱れます。換気が計画通りされるためには、気密がしっかりとれていないと全く意味がありません。

シロアリ

住宅の木材を食害する害虫で、構造物の強度低下や破損を引き起こします。主に地下シロアリと乾木シロアリがあり、湿気の多い場所や木材が豊富な環境で繁殖します。シロアリ被害を防ぐには、定期的な点検や防蟻処理、湿気対策が重要です。

シンプルナチュラル

シンプルでありながら自然素材を活かしたインテリアスタイルのことです。主に木材、石材、リネンなどの自然素材を多用し、白やベージュなどの落ち着いた色合いを基調としています。このスタイルは、余計な装飾を排し、機能性と美しさを兼ね備えたデザインが特徴です。家具や小物もシンプルなデザインで統一し、空間にゆとりと温かみをもたらします。

シンプルモダン

シンプルさと現代的なデザインを融合させたインテリアスタイルのことです。余計な装飾を排し、直線的で洗練されたデザインが特徴です。色彩はモノトーンやニュートラルカラーを基調とし、アクセントカラーを控えめに使います。家具や照明は機能性を重視し、素材にはガラス、金属、革などを使用することが多いです。

仕上げ材

建物の内外装の最終仕上げに使用される材料のことを指します。仕上げ材は、建物の美観や機能性、耐久性を向上させる役割を果たします。内装では、壁紙、塗装、フローリング、タイル、カーペットなどが典型的な仕上げ材です。外装では、外壁材、屋根材、塗料などが含まれます。

市街化区域

都市計画に基づき、既に市街地を形成しているか、または10年以内に優先的かつ計画的に市街化を進めるべき地域を指します。この区域では、住宅地、商業地、工業地などの用途に応じた土地利用が奨励され、建物の建築や開発が比較的容易に行えます。市街化区域では、建築基準法や都市計画法に基づく規制が適用され、公共施設やインフラの整備が進められます。この区域の設定は、都市の無秩序な拡大を防ぎ、計画的な都市開発と環境保全を両立させるために重要です。

市街化調整区域

都市計画区域内で、市街化を抑制し、自然環境や農地、山林などの保全を目的とした地域を指します。この区域では、新たな建築や開発行為が厳しく制限され、農業用施設や公益性の高い施設以外の建築は原則として認められません。市街化調整区域の設定は、都市の無秩序な拡大を防ぎ、既存市街地の有効利用を促進するために重要です。

私道

個人や法人が所有し、管理する道路のことを指します。公道と異なり、私道は公共の財産ではなく、所有者が自由に使用や管理を行うことができます。私道は、一般的に住宅地や商業地内のアクセス道路として利用されることが多いです。私道を利用する際には、所有者の許可が必要であり、道路の維持管理や修繕費用も所有者が負担します。また、私道に面する建物の建築や改修には、建築基準法の規制が適用されることがあり、一定の基準を満たすことが求められます。

自己資金

個人や企業が手元に持っている、自分自身の資金のことを指します。住宅購入や事業立ち上げなどの大きな投資や買い物をする際に、借入金やローンに頼らずに自分の資金を使う部分を指します。自己資金の額が多いほど、借入額を減らし、利息負担を軽減できるため、経済的なリスクを抑えることができます。

自然換気設計

建物設計において風の流れを利用して室内の空気を自然に交換する仕組み。エネルギー消費を抑えながら、室内の空気質を改善します。

室内環境品質(IEQ)

空気質、照明、音環境など、居住者の快適性と健康を支える室内環境の質を維持・向上させる設計指針。

斜線規制

都市計画や建築基準法に基づき、建物の高さや形状を制限する規制全般を指します。具体的には、建物が隣接する敷地や道路に対して一定の角度を保つように設計され、周囲の採光、通風、プライバシーを確保することを目的としています。主な斜線規制には、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3種類があります。これらの規制により、都市の景観や住環境の質を保ち、過密な高層建築を防ぎ、地域の調和を図ることができます。

斜線制限

都市計画において建物の高さや形状を制限するための規制で、周囲の採光や通風、プライバシーを確保し、住環境の品質を保つことを目的としています。主に道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3種類があります。道路斜線制限は道路幅に基づき建物の高さを制限し、隣地斜線制限は隣接する敷地との境界線から一定の角度内に建物を収めるよう規制します。北側斜線制限は北側隣地に対して採光を確保するために設けられます。

遮熱ガラス

太陽光の熱を遮断し、室内の温度上昇を抑える特殊なガラスです。主に窓ガラスとして使用され、ガラス表面に特殊な金属膜やコーティングを施すことで、赤外線を反射・吸収します。これにより、夏場の冷房負荷を軽減し、エネルギー効率を向上させます。また、遮熱ガラスは紫外線もカットするため、家具や内装の日焼け防止にも効果があります。

遮熱塗料

建物の外壁や屋根が太陽熱を効果的に反射し、内部の温度上昇を防ぎます。これにより、冷房に要するエネルギーコストの削減が可能です。

遮蔽

太陽光や風などの外部要素を遮ることを指します。住宅においては、日射を遮ることで夏の室内温度上昇を防ぎ、冷房効率を高める効果があります。遮蔽の方法には、軒や庇、遮光カーテン、ブラインド、樹木の植栽などがあります。

修繕費

建物や設備の故障や劣化を修理・補修するためにかかる費用のことです。定期的なメンテナンスや突発的な故障対応のために必要となり、建物の維持管理や資産価値の保持に重要です。

住宅ローン

不動産購入や住宅を建築したりする際にかかる費用について金融機関が行う融資のこと。

住宅性能表示制度

住宅の品質や性能を客観的に評価し、表示するための日本の制度です。国土交通省が定めた基準に基づき、耐震性、耐火性、断熱性、劣化対策、維持管理、空気環境、エネルギー効率などの項目について評価が行われます。この制度により、消費者は住宅の性能を比較・選択しやすくなり、住宅の品質向上や安全性の確保が促進されます。

住宅品質確保促進法(品確法)

新築住宅の品質を確保し、消費者の権利を保護するための日本の法律です。住宅性能表示制度の導入、10年間の瑕疵保証の義務化、第三者機関による検査の制度化などが特徴です。

初期費用

物件を購入または賃貸契約を結ぶ際に一度だけ支払う費用のことです。住宅を購入する場合、初期費用には頭金、ローン手数料、登記費用、仲介手数料、火災保険料などが含まれます。賃貸契約の場合、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、保証会社の保証料、鍵交換費用などが初期費用に該当します。初期費用は物件の価格や契約内容によって異なり、契約前に詳細を確認し、予算を計画的に準備することが重要です。

照明自動制御システム

室内の明るさを感知し、必要に応じて照明の明るさを自動で調整するシステム。エネルギー消費を効率化し、快適な環境を維持します。

省エネ家電

消費電力が抑えられる家電製品のこと。高い省エネ基準を満たす家電製品を使用することで住宅全体のエネルギー消費を削減します。

植栽

庭や公園、街路などに樹木や草花を植えることを指します。植栽は景観を美しくするだけでなく、環境保護や生態系の維持、気候緩和、都市のヒートアイランド現象の軽減など多くの効果があります。また、植栽はプライバシーの保護や騒音の遮断、風の防止にも役立ちます。

食害

昆虫や動物が植物や木材などを食べることによって引き起こされる被害です。住宅においては、シロアリや木食い虫などが木材を食害し、構造の強度低下や損傷を引き起こします。食害を防ぐためには、適切な予防策や定期的な点検、防虫処理が重要です。

地震保険

地震保険は、地震や津波、噴火による住宅や家財の損害を補償する保険です。火災保険に付帯して契約し、全壊や半壊などの損害に応じて保険金が支払われます。保険料は建物の構造や所在地により異なります。地震保険に加入することで、被災後の生活再建資金を確保し、経済的な負担を軽減できます。

地窓

建物の床面に近い位置に設けられた窓のことを指します。主に採光や通風を目的として設置され、特に地下室や半地下の部屋で有効です。地窓は、部屋全体に自然光を取り入れることで明るさを確保し、通風を促進して換気を改善します。また、外部からの視線を遮りながら光と風を取り入れるため、プライバシーの保護にも役立ちます。

地鎮祭

建築工事を始める前に、その土地の神を鎮め、工事の安全と無事を祈る日本の伝統的な儀式です。通常、神主を招いて土地の四隅に塩や米をまき、酒を供えるなどの儀式を行います。地鎮祭は、建築主、施工業者、設計者が参加し、土地の神様に感謝し、工事の安全を願います。

地盤改良

建物の安全性を確保するために軟弱な地盤を改善する工事です。表層改良、深層混合処理、杭基礎などの方法で地盤を強化し、不均一な沈下や倒壊を防ぎます。

地盤調査

建物建設前に土地の地質、強度、地下水位などを調べる作業です。主要な方法にはスクリューウエイト貫入試験(SSW試験)、ボーリング調査、平板載荷試験があります。SSW試験は地盤にロッドを突き刺し上からおもりを載せて自沈量、ロッドを回転させて生じる、土へのめり込み度合いを計測していきます。ボーリング調査は円筒形状の鋼管)を打ち込み土質や地下水位を分析します。平板載荷試験は地盤に荷重をかけて沈下量を測定します。これらの調査により、適切な基礎設計や地盤改良が可能となり、不均等沈下や倒壊を防ぎ、安全な建物建設を支えます。

地盤沈下

地盤が徐々に沈み込む現象を指し、建物やインフラに深刻な影響を与えることがあります。主な原因には、地下水の過剰な汲み上げ、地震、圧密、地下空洞の崩壊などがあります。地盤沈下が進行すると、建物の傾斜や亀裂、道路の陥没、上下水道の破損などの問題が発生し、安全性や生活環境が損なわれます。対策としては、地下水の管理、地盤改良、定期的な地盤調査が重要です。

敷地

建物や施設が建設されるための土地のことを指します。敷地は、建築物の基礎となる部分であり、その形状や大きさ、地質、環境条件などが建築計画に大きな影響を与えます。敷地には、建ぺい率や容積率、斜線制限などの法的な規制が適用され、これらの規制を遵守することが求められます。さらに、敷地の位置や周囲のインフラ(道路、水道、電気など)も建築計画において重要な要素です。


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